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★次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウム〈CALCIUM HYPOPHOSPHITE〉【Ca(H2PO2)2】

本日は弊社の中でも歴史ある次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウムを紹介したいと思います。

次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウムは別名ホスフィン酸カルシウムとも言い、強力な還元力をもった黄燐由来の化合物となります。

元々は栄養剤〈滋養強壮剤〉として1900年代初期に海外から入ってきた薬剤で、一時期凄く流行ったようです。次亜燐と表記された瓶、次亜燐を持った力士が描かれている看板等、インターネットで検索するとすぐに出てきます。次亜燐という四股名もあったようで、その当時の人気ぶりが伺えます。是非興味のある方は画像検索にて【次亜燐】検索ください。

さてそんなブームに乗っかろうとした会社が大道製薬で、研究に研究を重ね、1930年に技術上製造困難であった次亜燐酸カルシウムの国産化に成功し、厚生省(現在は厚生労働省)から褒章を受けました。当初は大道製薬という名の通り、医薬品及び医薬品原料を販売しておりましたが、時代の流れで化学品をメインに扱うようになりました。今回ご紹介した次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウムも局方品(日本薬局方収載医薬品)から除外となり、医薬品としては使用できなくなりましたが、その局方製造技術があったからこそ、次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウム国産化以降、次亜燐酸(次亜リン酸)ナトリウムや次亜燐酸(次亜リン酸)、亜燐酸(亜リン酸)といった黄燐二次製品の製造に着手できました。

次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウムは主に樹脂添加剤としてよく使用されております。次亜燐酸(次亜リン酸)ナトリウムは一水和物と水分を含んだ組成となっておりますが、次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウムは無水物となっております。また次亜燐酸(次亜リン酸)ナトリウムより高温域で還元力を発揮する点も高く評価されていると感じております。下記用途例を参考までに記載いたします。

・樹脂添加剤

・腐食防止や劣化防止効果

・界面改質効果〈樹脂・硝子・繊維等〉

・高級肥料

・栄養剤〈滋養強壮剤〉※現状海外限定

上記にありますように次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウムはありとあらゆるものに対して効果を発揮します。

今回は樹脂添加剤についてもう少し掘り下げてお伝えします。

スーパーエンジニアリングプラスチックであるPPS (Poly Phenylene Sulfide)(ポリフェニレンサルファイド)やエンジニアリングプラスチックのPA(Polyamide)(ポリアミド)といった樹脂への添加実績があります。還元性や耐熱性というキーワードでよくお声がけいただいております。また少量の添加で効果があり、無機薬品であることから他の添加物の邪魔をしないといった評価もされております。また他の樹脂への添加や別用途での検討もされており、まだまだ可能性が未知数の薬品でもあります。ありとあらゆるものに効果を発揮する大道製薬の次亜燐酸(次亜リン酸)カルシウムを一度ご検討いただければ幸いです。

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